増加しているゲーム依存症の小中学生

子育て

私は個人塾を経営していますが、
最近、定期テストで驚くような低い点数を取っても、
改善することができない小中学生が増えています。
定期テストの点数が低いだけでなく、
生活での興味がほとんどゲームをすることにあり、
小中学生が子どもとして本来興味を持つべき
様々なことに対して無関心な子どもが増えているのです。

あまりに勉強に対する危機感が無いので、
私は子どもたちの精神状態を少しでも知りたいと
いろいろな問いかけをします。
「勉強したくないみたいだけれど、
 将来何になりたいの?」
「高校に入らないなら中卒でもいいの?
 中卒で何の仕事をして食べていこうと思っている?」
「高校に入れたとしても、
 勉強しないと進級できないよ。
 高校を卒業したとしてどんな仕事をしようと思う?
 勉強が嫌いなら肉体労働もあるし、
 ものを作ったり、
 食物を生産したりする仕事もあるよ。
 芸を磨いて芸能人になる人もいるかもしれない。
 でも、そんな仕事も勉強しなければいけないことが
 たくさんあるけどね。」
「25歳くらいの自分を想像したら、
 何をしている自分が見える?」

すると、ゲーム依存症の子どもはさんざん考えた末、
「ゲームをしている自分が見える」とか
「ゲーマーかユーチューバーになる」とか言います。
私が、「ユーチューバーになって何を撮るの?」
と聞くと、「ただ黙ってゲームしているところ」と
答えたりします。
「高校生になって、みんなと楽しいことしたり、
 女の子と付き合いたいとか、
 将来結婚したいとか思わない?」と聞くと、
「思わない」と即答します。
あまりに発想が貧困で、
生活体験の少なさに愕然としてしまいます。

親御さんはあまりにひどいテストの点数に驚き、
塾に子どもを連れて来られます。
しかし、その時にはもうすでに
ゲーム依存症になっている子どもたちが多く、
週1回程度の塾の勉強では
簡単には改善することができなくなっています。
親御さんはわらをもすがる気持ちで
塾に頼るのでしょうが、
ゲームに依存するような生活習慣は、やはり
本来は保護者が管理しなければならないことです。
現代人が、子どもの生活習慣を重視せず、
きちんと管理しなくなってきたことが、
ゲーム依存症を増加させている一番の要因でしょう。

しかし、依存症に陥ることは、
薬にしろ酒にしろ賭け事にしろゲームにしろ、
人間としての普通の生活を崩壊させてしまう
恐ろしい事態を招きます。
「たかがゲーム」「たかがネット」と
子どもの生活ぶりを放置していると、
気づいた時には深刻な状態に
なってしまっていることが多いでしょう。
子どもが依存症になってしまわないように、
適切な時期に適切に向き合うことがとても大切ですね。

このようなことは当たり前のことだと思いますが、
なぜ、子どもの生活習慣を管理できない親御さんが
増えているのでしょうか。
生活がどんどん便利になり効率的になればなるほど、
親自身の忍耐力や自制心が
低下しているからなのではないでしょうか。

ゲーム依存症やネット依存症に陥らないように
親子ともども、今一度基本的な生活習慣を見直し、
自制心を養い、健全で豊かな生活が遅れるように
努力していく必要があると思われます。

①基本的な生活習慣を崩さないように努力する。
②テレビ・ネット・ゲームを見る時間を制限する。
③テレビ・ネット・ゲームができる場所を
リビングなどの共有スペースに限る。
④家庭学習の時間を小学生なら1時間
中学生なら2時間以上として習慣化させる。
⑤短時間でも読書をする時間を習慣化させる。
⑥生の文化に触れる機会をたくさん作る。
⑦生の体験ができる機会をたくさん作る。
⑧他人と交流する機会をたくさん作る。

コロナ禍での自粛生活のせいで、
上記のような当たり前のことが
実行できなくなってしまったということも、
ゲーム依存症の子どもが増加した大きな要因でしょう。

コロナの感染者数が収まりを見せてきましたので、
大人は今一度子どもたちの生活習慣を立て直す努力を
全力で行うべきだと思われます。

依存症になってしまった子どもは、
引きこもったり、不登校になったりすることもあり、
治療するために病院に入院したり、
投薬したりする必要も出てきます。
依存症を克服するためには治療に長時間を要します。
実際、ゲーム依存症を治療する医療機関も
多く設置されてきたようです。
子どもの生活の乱れを放置することなく、
早期に向き合い改善する努力が求められています。

塾に来る低学力の子どもが、
ゲーム依存症である場合が非常に多くなっています。
親御さんに生活習慣の管理をお願いしつつ、
塾としては子どもの勉強に寄り添うしかありません。

子どもも無意識の根底には「勉強しなければいけない」
という気持ちがあるはずです。
「勉強したい」という気持ちになる瞬間を待ち続け、
「勉強したい」という気持ちが生まれる
きっかけを作る。指導する立場としては短気にならず
焦らずその努力をするのみであると自戒しています。

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