子どものやる気を引き出す進路選択

子育て

娘は現在地方のNHKでキャスターとして
ラジオやテレビ番組に出演し、
自分が望んだ好きな仕事をしながら
充実した毎日を送っています。
学生時代はあまり塾に頼らず勉強し、
小中高と公立の学校を卒業し、
大学も国立大学を卒業することができました。
有名私大などの出身ではないですが、
片田舎に生まれ、あまりお金をかけずに
自分の望む仕事に就けたのですから
よく頑張ったと言えるのではないでしょうか。

娘が成長していく時に親として気をつけたことを
紹介したいと思います。
私は常に人間のやる気は自発性に基づくものだと
考えますので、子どもたちの進路選択の時も
子どもたちの気持ちを丁寧に見つめてきたつもりです。

娘の初めての進路選択は高校受験の時でした。
どこの高校を受験しようかという話になった時、
娘は「バレーボール部が強い高校」に関心がありました。
小学4年生の時にスポーツ少年団のバレーボールに参加し、
中学校ではバレーボール部のキャプテンを務めました。
だから高校でも
バレーボールに打ち込みたいと願ったのでしょう。
ただ親の私から見ても娘は特別運動神経が良いわけではなく、
バレーボール選手として才能があるように思えませんでした。
スポーツ少年団の監督からも将来はママさんバレーくらいと
言われていたくらいですから。
でもそんな大人の思惑は娘には伝えていません。
本人がバレーの強い高校に行きたいと思う気持ちが大切です。

そこで私は、娘の思いに寄り添うために、
地元の高校のバレーボールの県大会決勝を
娘と一緒に見に行くことにしました。
県大会の決勝戦は私立の強豪同士の対決でした。
激しい攻防を繰り広げる素晴らしい決勝戦を見た帰り道、
私が「うちの県でいちばん強い高校はあの2校だよ。
どちらの高校にする?」と娘に尋ねると、
「どちらもやめとく」という返事。「どうして?」と聞くと
「どちらの高校に入っても私はレギュラーになれないから」
というではありませんか。
正直我が家は子どもを高校から私立に行かせるような余裕は
ありませんでした。でも、娘が望むなら
なんとかしなければとは思っていたのです。
親としてはそんな冷や冷やするような気持ちでしたが、
直近で試合を見たことで、娘は「私立は無理だ」と
納得したようでした。

次に考えたのは
県大会のベスト8に入っている公立の高校です。
何を思ったのか県下一の進学校でバレー部も強いZ高校に
興味を持ったようでした。そこで私は娘と一緒に
電車を乗り継ぎZ高校の門の前まで行ってみました。
その時の帰り道に「Z高校にする?」と聞くと
「やめとく」と言います。「どうして?」と聞くと
「こんな遠いところ毎日通えへんわ」
というではありませんか。
正直私もこんなレベルの高い進学校に
遠いところから通えるわけがないと思ってはいたのですが、
そんなことを口で言っても
娘にはわからないだろうと思いました。
自分で電車に乗って学校を見てこそ
感じるものがあると思うのです。

その後いくつか学校を見て、
娘は兄の通っていた高校に行くことを
自分の意志で決めました。
その学校は特に
バレー部が強いわけではありませんでしたが、
自分で何かを感じて決めただけあって、
高校3年間もバレー部で頑張り続け、
引退前の最後の県大会で
悲願のベスト8に入ることができました。
大した結果ではないかもしれませんが、
子どもが自分自身の能力と相談しながら夢を叶えたことは
大きな自信になっただろうと思います。

次の進路選択は大学受験です。
大学も我が家では私立はなかなか厳しい状況でした。
だから大学に行きたいのなら公立を目指して欲しいと
子どもたちには伝えていました。
大学受験を控えていた頃の娘の夢は
テレビ局で働くことでした。
テレビ局の番組制作に携わりたいと思っていたようですが、
テレビ局の制作をする人は
かなり高学歴でなければならないとか。
バレーボールに打ち込んだ娘は
なんとか国立大学には進学できましたが
4年生の就活でテレビ局に入局することはできませんでした。
それで滑り止めで受けて内定をいただいていた
地元の銀行に就職することを娘自身が決めました。

厳しい銀行員生活は娘にとってかなり大変だったようです。
でも、社会人としていろいろなことを教わり、
厳しく指導されたことは
大きな経験になったことでしょう。
滅多に弱音を吐かない娘でしたが、
ノルマを与えられ営業のイロハを叩き込まれるという
厳しい職場が本当に辛いようでした。
早々に辞めそうになっているところを、親としては
何事も「石の上にも3年」、一通り経験したところで
次のことを考えた方がいいよと励ましました。

そんな大変な状況にもかかわらず、
土日の休みに
娘は大阪に何かの勉強に行っているようでした。
何に通っているのかなかなか教えてくれませんでしたが、
ようやく聞き出したところ、
元有名NHKアナウンサーが主催している
アナウンスアカデミーだとか。
調べてみるとホームページがありましたし、
長年の実績がある
きちんとした学園であることがわかりました。
そこに通ううちに、「キャスター」職なら
採用される可能性あると言われたとか。
娘はそこでのレッスンに自分の夢を掛けていたようです。
そして銀行員として3年間務めた後、
地方のNHK放送局のキャスターの採用試験に合格し、
念願のテレビ局での仕事に就くことができました。

ささやかながらこれが娘の夢への軌跡です。
進学する学校も職業も娘自身に委ね、
自分自身で責任を持って行動するように促しました。
自分で決めて自分で努力する。
親はそれを見守りできるだけのサポートしていくだけです。
自発性に基づいているからこそ力が存分に発揮できるし、
子ども自身が納得できる人生を歩めるのだと思います。

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