変な話に聞こえるかもしれませんが、
私は男の子の親になった時、
いつか必ずドラマのように菓子折りを持って、
息子を連れて、
よそのお宅に謝りに行く
ということをやってみたいなあ、
(もちろんそれほどの大事件じゃないことで)
と思っていました。
男の子ならそれぐらいのことはあるのが
あたりまえではないか、
と思っていましたから。
そしてそれは、
息子が小学生6年の時に実際に起こり、
私としては
「あ、とうとう来た!」と
思った瞬間でもありました。
その日の夕方、担任の先生から家に電話があり、
事のいきさつの説明がありました。
放課後、学校のグラウンドで、
息子が同じ学年の少年たち何人かで
サッカーをして遊んでいたとのこと。
2つのチームに分かれてゲームをしていて、
息子がゴールキーパーだったそうです。
その時、相手チームの子が蹴ったボールが
ゴールして得点になった時、
うちの息子は「今のはハンドだ!」
と言って抗議したらしいです。
「今のはハンドだったからだめだ!」
「ハンドなんかしてないわ。」
「いや、今のは確かにハンドだった。」
「してないって言ったらしてない。
お前はメガネかけてて目が悪いから、
ちゃんと見えてないんや。」
「見えてるよ。ちゃんと見たよ。」
「見えてないわ。お前には見えんわ。
おまえは○○○だから見えるわけないやろ。」
的なやりとりがあって、
最後にうちの息子が我慢しきれず、
持っていたサッカーボールをその子に向かって
思いっきり投げつけたそうです。
そしてそのボールはその子の左目の横あたりに当たり、
目の横にかすり傷もできたそうです。
相手の親御さんは心配して
お子さんを病院に連れていかれましたが、
特に異状なしという診断だったらしく、
本当に良かったと私もほっとしました。
担任の先生は、周りにいた友達みんなが、
息子がキレたのも
無理はないくらいの言われ方をしていた
と言っているので、
相手方のお宅にまで行く必要はない、
とおっしゃいましたが、
私はそれでは済まないと考えて、
謝罪に行くことにしました。
息子はその頃勉強もスポーツもそれなりに出来て、
負けず嫌いの子どもでしたので、
謝りに行くと言うと、
「イヤだ!!」と言って泣き、かなり抵抗しました。
ひどいことを言いまくったのは相手の方だと。
でも私は
「どんなひどいことを言われようとも、
手を出して相手にケガをさせた方が悪いのよ。
たいしたケガにならなくて本当に良かったけれど、
もっと相手を傷つけるようなことになっていたら
あなたはどう責任をとるつもりなの。
相手の身体に傷をつけるという行為は
絶対してはいけないことなのよ。
今は子どもでも、
あなたが大人になって同じような事をすれば、
あなたが法律で罰せられるし、
刑務所の中にだって入らなければならなくなる。
相手の人のご家族だって心配するし、
悲しくなるのよ・・・。」
とどんどん話が大きくなっていきました。
納得しきっていない息子、
泣いている息子を連れて、
私は菓子折りを用意し、
相手のお宅の玄関に手をついて謝罪しました。
普段は優等生肌で、
ちょっと偉そうにしていた息子も、
泣きながら謝りました。
相手の親御さんは
「うちの子もひどいことを言ったらしいので、
こんなことをして下さらなくても。」
と言って下さいましたが、私は
「いえ、手を出した息子が悪いのです。
本当に申し訳ありませんでした。」
と息子の前できっちり謝る姿を見せました。
プライドの高い息子には衝撃的だったと思いますが、
変なプライドなど、
子どもの時にへし折っておいた方が良いのだ
と私は思いました。
変なプライドでうやむやにするより、
「絶対にしてはいけないこと」を教えることの方が
子育ての中で重要であることは間違いありません。
私は子育て中のトラブルは
その時々にごまかしてしまうより、
大ごとにして大切な事を教える機会にした方が
良いことがたくさんあると思っています。
実際、息子を連れて
他の人の家に謝りに行くと言うような事は、
その後息子が成人するまで二度とはありませんでした。
「子どもがうそをつき始める時」にも書きましたが、
子育ては全て最初に親がきちんと対応し、動き、
子どもに伝えるべきことを
伝えることが重要だと思います。
息子はすでに社会人になりました。
社会に出たらもっともっと大変なことに遭遇するでしょう。
自分の失敗でも他人の失敗でも、
謝らなければならない場面も出てくるでしょう。
すばやくきちんと謝るべきことは
謝れる社会人になってくれることを祈っています
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