親御さんと話をしていると、
とにかく子どものスポーツ自慢や、
誰それがどこの学校に行ったとか、
自分の子どもは絶対あそこの学校に入れたいとか、
将来うちの子どもはこんな仕事に就かせたいとか、
一生懸命語る方たちがいます。
そんな話を聞く度に、
なぜ親が子どもの将来を
決めてしまおうとするのだろう、
そんな権利があるのだろうか、
と思うことが多いです。
確かに自分の生んだ子どもではありますが、
一人一人の人生は個々のもので、
親の思い通りにするものではないでしょう。
もちろん、親の願いや理想は
どんどん語ってよいと思いますが、
その時一番大切なことは、
その内容が親や祖父母の世間体を気にするものでは
あってはならないということです。
それは大人の保身や見栄であって、
子どものことを本当に大切に思って
言っている言葉ではありません。
親は世間体がよいと子どもの幸せになる、
と思い込んで話をしているのでしょうが、
敏感で無垢な子どもは、親のそういう話は、
本当は親の見栄のためのものであって、
自分自身を
心から大切に思ってくれているわけではないと、
しっかり感じとります。
そして子どもは一度きりの大切な人生を、
「自分のもの」だと思えなくなっていきます。
ついには、自分の意志できちんと生活すること、
勉強すること、頑張ることを
だんだんしなくなっていきます。
つまり、親や祖父母が自分たちの見栄や体裁のために
子どもにうるさく言えば言うほど、
子どもは逆にやる気のない子になってしまうのです。
小さい時は、子どもには反発する力も考えもないので、
一見親の言うことをよく聞き、
ある程度勉強もするでしょうが、必ず頭打ちになり、
思春期の頃からいろいろな面で
伸びなくなってしまう場合が非常に多いようです。
やらされている勉強、親が勝手に決めてしまう進路に、
子どもは立ち止まってしまい、
下手をすると動かなくなってしまうこともあります。
(つまり引きこもるということです。)
私も普通に、世間体を気にしたり
見栄を張ったりする心を持っていますが、
これまでの経験で上記のような理由で
動けなくなる子どもたちをたくさん見てきたので、
自分の子育てではそうはなりたくないと、
強く意識するようになりました。
親は世間体を気にする心を
封印する努力をする必要があるでしょう。
見栄を張るのは人間の煩悩なので、
完全に消してしまうのは無理でしょうが、
常に封印しようとする姿勢が大切だと思われます。
「世界にひとつだけの花」という
歌の歌詞にもあるように、
人間は「一人一人違う種」を持っていて、
「その花を咲かせることだけに一生懸命になればいい。」
のですよね。それは、どこの学校を出たとか、
これくらいの会社に入らなければならないとか
いうことばかりに気を取られていると、
見失ってしまう大切な「種」であるように思います。
親が子育てで一番大切にしなければならないことは、
子どもとともにその「種」を探してあげて、
子ども自身がその「種」に気づき、
「花を咲かせたい」と思うように、
力添えをしてあげることだと思います。
そのためには、できるだけいろいろな体験をさせ、
いろいろな人と出会えるような
機会を作ってあげることが、
親の仕事なのかもしれません。
「可愛い子には旅をさせよ。」と
昔から言われているように、
自分の手元から離して苦労させることも必要ですよね。
社会貢献につながる仕事であるならば、
どんな仕事に子どもが就いても良いでしょう。
自分に与えられたかけがえのない才能を生かして、
その道で一流になり、
その道でプロとして社会のために
役に立てる仕事ができれば、
それ以上の幸せはないでしょう。
不思議なことに、
親が見栄を捨てる努力をすればするほど、
そして子どもの本来の才能を
しっかり見つめてやればやるほど、
子どもはやる気のある気持ちのいい子どもに
育っていきます。
(逆説的ですが、親が見栄を捨てれば捨てるほど、
子どもは良い方向に育っていくように思います。
不思議な話ですが・・・。)
一人一人の子どもたちが存在を認められ、
きれいな花を咲かせることができれば、
もっと美しい社会ができるのでしょうね。
教育の現場を子どもたちの
多種多様な可能性を伸ばしていけるような、
そういう環境に変えていくことが
大切だと強く思います。
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