子どもは知恵がつくとうそをつく

子育て

ある日、息子が保育園から帰ってきた時、
なぜかカバンに忍たま乱太郎のキーホルダーが
付いてありました。
「どうしたの、これ。」と私が尋ねると、息子は
「保育園の廊下に落ちていたから、カバンに付けてきた。」
と言いました。私はびっくりして、
「廊下に落ちていたのなら、先生に渡さないとだめでしょう。
 勝手に持って帰ってきたらだめでしょう。」
と強い口調で息子に言うと、
息子は「わかった。明日先生に渡す。」と言いました。

次の日、保育園の息子の部屋にお迎えに行った時、
私は初めての衝撃を味わったのです。
同じクラスの女の子が私を見て飛び出してきて、
「○○君、私のカバンからキーホルダーを外して、
 自分のカバンに付けて帰った。」と言うではありませんか。
その瞬間私の頭は真っ白になり、
次の瞬間、何も気づかず笑顔で教室をでてきた息子を、
無意識にぶっとばしてしまったのです。
保育園の担任の先生がびっくりして飛んできて、
私に事情を聞きました。
「息子が私にうそをつきました。人のものを取りました。」
興奮して私が混乱していると、担任の先生は、
「子どもならそんな事はよくあることですよ。
 私の子どももそんな事がありましたよ。」
と言ってくださいました。
先生に「私の子どもも」と言っていただいて、
私のショックは少しやわらいだように思います。
今思い返すと、保育園の担任の先生へ感謝の思いとともに、
やはりその道のプロはさすがだな、という思いがします。

姑にこの話をした時、次のように言われたのも私にとって
新しい気づきになりました。
「無駄なものを子どもに買い与えたくない
 という気持ちもわかるが、小さい子どもにあまり
 ひもじい思いをさせすぎてもいけない。
 ちょっとした駄菓子、ちょっとしたおもちゃ(駄菓子のおまけ)
 くらいはそんなに高いものではないのだから、
 そういうもので心が満たされるのなら、
 小さい子どもの心を満たしてやるのも大切だ。」ということです。
さすが、年長者の言葉には経験に基づいた説得力がありました。

私もその後はスーパーに行った時は、
駄菓子を一つずつ選ばせたり、
駄菓子に付いているおもちゃも適度に買ってやりました。
忍たま乱太郎のキーホルダーも気持ちよく買ってやりました。
当時「がちゃがちゃ」という小さいおもちゃが流行っていたので、
1週間に1回くらいの感じでルールを決めてやらせてやりました。

中学校の生徒にこの話をした時、
「1週間に1回というのは甘すぎるでー。」と言われましたけどね。

話は戻りますが、そんな衝撃的なことがあった日の夜、
私は知恵のついてきた息子にこんこんと話をしました。
「うそをつくような気持ちにさせたのはお母さんが悪かったね。
 でもやっぱり、うそをついてはいけません。
 人のものを取ってはいけません。
 それは絶対にやってはいけないこと。
 うそばっかりついていると、「オオカミ少年」のお話のように、
 だれからも信じてもらえなくなり、
 たとえ本当のことを言っても「うそ」をついていると
 思われるようになるんだよ。
 だれからも信じてもらえなくなったら、本当に悲しいよね。」
そのようなことを、何度も何度も心を込めて息子に話しました。

5歳の息子がその時「うそをつくことの恐ろしさ」を
理屈としてどれだけ理解できたかはわかりません。
でも、母親の私が心からショックを受けたこと、
悲しんだということは、感覚として
充分に感じたのではないかと思います。

あの時以来息子が大人になるまで、
「なんでうそをついたのだ」と激高した記憶がないからです。

人間だから、息子も軽いうそはたくさんつきながら
大きくなったとは思いますが、
本当に5歳のその時以来、
私が決定的に傷つくことはありませんでした。

そういう経験から、やはり子育ては「初め」が肝心だと
確信するようになりました。
中学校で教えていた時、「うそ」が常習化している生徒に
何人か出会いましたが、中学生まで常習化していることを
更生させるのは本当に大変です。

子どもは知恵がつき始めたら「うそ」をつき始める。
親はそれも子どもの成長の一貫だと受け入れ、
「初め」の時にしっかり話をしておくことが、
後々子育てで苦しまない秘訣のように思います。

今回は息子の話でしたが、
娘も同じように知恵がつき始めた頃、
ちょっとした事件をくり返しました。
私は2人目だったので、少しはわきまえていましたが、
小さい子どもに「うそをついてはいけない」ことを
わからせるのは、根気のいることです。

でも、「うそをつき始めた初めの時」に親が頑張るかどうかは、
長い子育ての中で、とても重要なポイントだと思います。

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